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いろいろな略語が出てきてわかりにくくなってきた「自動車」
このブログでも触れたことがありますが、私はちょうど1年前くらいに自動車(中古車)を購入しました。
ターボ搭載の軽自動車なので、始動が早く、加速性能は申し分ないです。
実家で親の車を借りて乗っていた時とは比べ物にならない感じです。
ところで、昨年の2020年12月、世界的な環境規制の流れが一気に加速して、2030年辺りを目安にガソリンエンジンなどの単純な内燃機関タイプの自動車の販売を禁止するという国家宣言が出てきました(参考情報はこちら)。
ここでよく目にするのが電気自動車です。
他にも、例えば、燃料電池車というものもあります。
そこで、今回はこうしたさまざまな今後主流となってくる可能性のある自動車の種類を、従来からある種類と比較しながら、その特徴を紹介します。
ディーゼル車(従来式)
『ディーゼル車』という名前だけなら知っている人も多いと思います。
なんとなく、トラックなどの大型車のイメージがありますよね。
しかし、いざ「どういう特徴があるの?」と言われると、答えられる人は少ないかもしれません。
すごくわかりやすいところでいうと、燃料が『軽油』という特徴があります。
ガソリンスタンドの道路脇に出ている看板を見ると、『レギュラー』『ハイオク』『軽油』と3種類が並んでいるのを見たことがあると思いますが、あの『軽油』です。
この『軽油』を燃料としてエンジンの中で燃やして、回転力として取り出すことになります。
ちなみに、「なんか『軽油』だけやたらと安いなあ…」と思ったことはありませんか?
『軽油』は、『レギュラー』『ハイオク』といったガソリンに比べて、燃料としての値段が安いメリットがあります。
しかし、「なんだ、ガソリンより安いなら、うちの車にも今度から『軽油』を入れよう」なんて思ってはいけません。
燃料の性質があまりにも違いますし、そもそも、エンジンとして機能する方式がディーゼル車とガソリン車では大きく異なっているので、間違った燃料を入れると、いずれエンジンが壊れます(JAFのホームページに詳しい解説があります)。
一方、エンジンの特性として、パワフルな回転力が得られ、加速性能が良い(=走り出しが強い)というメリットもあります。
クリーンディーゼル車(ディーゼル車の改良版)
先に紹介した従来のディーゼル車では、エンジンで燃料の不完全燃焼が起きてしまい、ススや窒素酸化物(NOx)が出やすく排気ガスが汚いという問題がありました。
そこで、環境対策として生み出されたのが『クリーンディーゼル車』です。
何が違うのかというと、エンジンでの不完全燃焼を改善するために、エンジン内部への燃料の噴射を精密に制御するシステムを設けている点にあります(詳細を知りたい方はこちら)。
ざっくり言うと、ハード面の改善ではなく、ソフト面の改善ということになりますね。
これにより、排気ガスに含まれる環境汚染物質を抑えています。
ガソリン車(従来式)
今の主流がこの『ガソリン車』です。
その名前の通り、燃料はガソリンで、エンジンの中でこのガソリンを燃やして、回転力を取り出します。
ディーゼル車に比べて、音が静か、高速走行でもパワーが出る、車両価格が安く抑えられる、などのメリットがあります。
ちなみに、ガソリンには『レギュラー』と『ハイオク』の2種類がありますが、これはガソリンの品質の違いであり、適用する車種も決まっているので、同じガソリンだからどっちでもいいということではないので注意してください(詳細はこちら)。
ハイブリッド車(HV)
『ハイブリッド』という言葉は、『2つの要素を備える』という意味があります。
これを車に適用すると、『ハイブリッド車(HV;Hybrid Vehicle)』は、一般的に、エンジン(ガソリンで動く)とモータ(電気で動く)の2つの動力源を備えているという特徴があります。
そのメリットは、エンジンの特性上で弱点となっている部分をモータで補ってあげるというのがイメージしやすいと思います。
実は『ハイブリッド車(HV)』には他のタイプが存在していて、後述する『電気自動車(EV)』に限りなく近い思想で、エンジンは走行するためのモータに電気を供給するための発電用として使うだけで、エンジンは車の走行には直接関わらないというタイプもあります(詳細はこちら)。
電気自動車(EV)
『電気自動車(EV;Eectric Vehicle)』は、何らかの外部電源(例えば、ガソリン車でいうところのガソリンスタンドに相当)から車載のバッテリー(電池)に電気を充電しておいて、走行する際にモータに電気を供給して、モータで走行する車です。
走行するときはモータしか使わないということなので、もちろん従来のエンジンは不要になります。
従来のエンジンではどうしても発生してしまう排気ガスがなくなるので、今、この『電気自動車(EV)』への流れが急加速しています。
しかし、これは同時に、エンジン開発で競争してきた自動車メーカが大打撃を受けるということも意味しています。
トヨタ自動車の社長が日本政府の発言に対して声をあげたニュースも記憶に新しいところです。
日本は長年、自動車産業で支えられてきたので、今のビジネスモデルが激変したら、つぶれる会社もかなり多く出てくると想定されるので、変化に対応できる会社でないと生き残っていけないでしょう。
これを1つのビジネスチャンスと捉えるか、ピンチでどうしようもないと捉えるか、大きな岐路になるでしょう。
そんな『電気自動車(EV)』のメーカとして最も有名なのはアメリカのテスラ社ですが、米国株をやっている人にはお馴染みの企業ですね。
最近では、あのアップル社も参戦しようとしているというニュースが出て話題にもなりましたね。
アップル社にとって、自動車は単なる移動する箱に過ぎないと思われているのでしょうが、メーカに勤めている私からすれば、あんまり製造業の技術を舐めないでほしいと思います。
手を上げるとすれば既存の自動車メーカになるのでしょうが、利益率の感覚が全然違う世界なのだから、交渉がうまくいくとは到底思えないですね(私には自動車メーカが不利になるイメージしか描けません)。
ちなみに、『電気自動車(EV)』の仕組みはとても簡単ですが、実際にこれを普及させるには、充電装置のインフラを整備するという極めて大きなハードルがあります。
車はあっても、充電できる場所が極めて限定的になっては意味がないですからね。
プラグインハイブリッド車(PHV/PHEV)
『プラグインハイブリッド車(PHV;Plug-in Hybrid Vehicle / PHEV;Plug-in Hybrid Electric Vehicle)』は、『ハイブリッド車(HV)』にバッテリー(電池)を搭載し、外部電源から充電可能にしたものです。
これは、エンジンとモータのどちらもメインになりえるので、使い勝手としてはいいのでしょうが、その分、車両価格は高くなります。
また、充電装置のインフラを整備するという極めて大きなハードルがあることは、『電気自動車(EV)』と同じですね。
もしかしたら、完全な『電気自動車(EV)』に移行する前段階として、エンジンを予備と考えて、『プラグインハイブリッド(PHV/PHEV)』市場が一時的に伸びるかもしれません。
燃料電池車(FCV)
『燃料電池車(FCV;Fuel Cell Vehicle)』は、モータで走行するという点では『電気自動車(EV)』と仕組みが似ていますが、『電気自動車(EV)』が外部燃料として電気が必要なのに対して、『燃料電池車(FCV)』では外部燃料が水素になります。
水素と空気中の酸素を反応させて発電し、発電した電気をモータに供給して、モータで走行することになります。
このタイプは、充電装置(水素ステーション)のインフラを整備するという極めて大きなハードルがあります。
一見すると、『電気自動車(EV)』と同じくらいのハードルようにも見えるかもしれませんが、電気は今でもある程度世の中に普及している一方、水素は世の中には全くと言っていいほど普及していないので、こちらのほうが圧倒的にハードルは高いと考えられます。
安全面から考えても、もし水素ステーションで爆発なんて起きたら、それこそ周辺一帯が吹き飛ぶくらいの破壊力はあるでしょうから、安全面の確保が絶対条件になってきます。
あ、『燃料電池車(FCV)』に関して、ちょうどいいyoutube動画を見つけたので、ちょっと見てみてください。
次に「自動車」を購入するならどのタイプがいいのか?
これは個人的な感覚ですが、当面は強いこだわりがなければ、ギリギリまで従来のガソリン車でいいと思っています。
これは車に限った話ではありませんが、導入されてすぐの時期(黎明期)というのは、何かしらの初期不具合が起こる可能性が高く、また、車両価格もコストダウンは二の次にされる傾向にあります。
なので、ある程度の安心感が得られて、車両価格も落ち着いてきてから、購入を検討をするというのが安全サイドでの考えです。
もっとも、何らかの優遇税制などが整備されれば、一気に普及が進むかもしれませんけどね。
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